バベル


それは父からだった。


『戻って来てくれるかもしれない。』

そう思った俺は

緊張しながらも封を切った。



だけど、
期待した俺がバカだったんだ。



そこには、

紀子さんと一緒になりたいから
正式に離縁してくれ、という内容と
ご丁寧に離婚届けが添えられていた。




すべてを理解した瞬間、


俺は理性を亡くした。





実の父を


この手で


コロシタ。
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