412ページの思い


ピーポーピーポー。

また命のサイレンがなる。


あ、救急車のことね。


私は今日もただ時が流れるのをただひたすらに待っていた。


「のん。やっほー。」


そう言って顔を出す中学の時の心友、果穂。


今の私には果穂しかいない。


私の両親は私が5歳の時、事故で他界。


唯一の生き残りがこの私。


だから、私はその後施設に連れていかれた。


女子聖堂子供施設。


この施設は女の子限定の施設で、カトリックの教えをしている珍しい施設だった。



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