桜の恋模様
そんな事を考えて走り疲れて歩いていた私の目の前に急に影が出来た。


と思ったら、直ぐに強い衝撃が加わってそのままバランスを崩してしまった。


｢(ヤバいこける___)｣


そう思って目を瞑ったがいつまで経っても予想した衝撃は来なかった。


『おっと……大丈夫？』


頭から降ってきた言葉に驚いて顔をあげると、そこには心配そうに私をみる男の人の顔が近くにあった。


｢だ、大丈夫です！｣


私は咄嗟にその人から離れた。


後ろに倒れそうになった私の腕を引っ張って助けてくれたので、抱きつくような姿勢になっていたのだ。


よく見るとそれは、学校で一位二位を争うくらいカッコイくて優しいと言われる人だった。


『ごめんね？話ししてて気づかなくて。』


大丈夫？と彼の瞳が心配そうに揺れていた。


｢そ、そんな！下向いて歩いていた私がいけないんです！｣


私は頬が赤くなっていくのを感じながらも、首を振って思いっきり否定した。


そんな私の様子をみて、彼はクスッと優しく笑った。


『そんなに元気なら大丈夫そうだね良かった。』

確かに彼はそう言った。


それだけで私の頬は更に赤くなっていった。



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