約束 ~生きていく君へ 余命半年と告げられて
朝目が覚めると、となりに
寝ているのが温人じゃないこと
を確認してしまう。
温人がわたしの前から姿を消して
1か月以上がたった。
もう温人は新しい誰かとわたしの
知らない街で新しい生活を送って
いるのかもしれない。
もし本当にそうでも今の私、
温人の事責める事できない。
お義母さんは、温人のことは
忘れて幸せになってほしいって
言っていた。
でもね。
そんな簡単に割り切れなくて。
わたしは、ずるい女だから。
亮君の優しさに甘えながら
亮君の想いを知っていながら
未だに温人のことをどこかで
想っているわたしがいる。
そんなわたしを丸ごと
受け止めてくれる亮君。
でもきっと、亮君も後悔している。
親友の彼女だった女を引き受けた
ことに。