約束 ~生きていく君へ 余命半年と告げられて
「ただいま。」
「おかえりなさい。」
わたしは、亮君に抱きついた。
びっくりした表情の亮君が、
頭をポンって叩いてぎゅっと
抱きしめてくれる。
「亮君、苦しいよー。」
「あっ。 ごめん。」
「そんなにきつく抱きしめ
なくてもわたしはここにいるよ。」
「あぁそうだな。」
「亮君、わたしちゃんとあなた
を愛しているよ。」
「真幸。どうしたんだ。」
「ちゃんと聞いてほしいの。
わたし、亮君のこと愛してるよ。
だれでもよかったわけじゃない
からね。
亮君だったから、初恋の相手が
亮君だったから、溢れ出した
想いをなかったことに出来な
かった。
今だって、亮君だったからあなた
の手だったから、わたしは迷わず
その手を掴むことができたんだよ。」
「真幸、信じていいんだね。
何があっても俺の事愛してくれる?」
「うん。」
「もし、目の前に温人は現れても?」
「亮君、温人の事知ってるの?」
「だから、もしもだよ。
答えて真幸。 もし温人が目の前に
現れても俺と生きて行ってくれる?」
「もし、今温人が現れても
わたしは、亮君と生きていきます。」
わたしは、心から宣言できたよ。
だから、今温人が現れてもわたしは
亮君と生きていく。