約束 ~生きていく君へ 余命半年と告げられて

それでも、亮君はわたしの
知らない所でも毎日、わたしの
実家に頭を下げにいってくれてた。


ママから聞かされてはいたけど
秘密にするようにってママに
言われたから何も知らないふりを
していたんだ。


そんな、あなたの誠意がパパ
に届いて、やっと結婚のお
許しをもらうことができたんだ
よね。

わたしは、本当にうれしかったよ。


亮君と涙をながして喜んだよね。


もうこの頃の私は、温人のこと
思いだす機会も減ってきてたんだよ。


わたしの中で亮君がいっぱいに
なってた。

わたしは幸せの中にいたよ。



でもそれは、犠牲の上になりたった
幸せだったんだよね。





< 110 / 207 >

この作品をシェア

pagetop