約束 ~生きていく君へ 余命半年と告げられて
そんな夜だったね。
亮君の電話が鳴ったのは。
キッチンで洗い物をしてる
わたしの手をむりやり引っ張っ
た。
わたしは泡だらけの手を慌て
て洗い流して水を止めた。
「どうしたの?」
「車に乗るんだ!!」
いつも優しく穏やかな亮君が
ものすごく怖いオーラを放っ
ていてわたしは、体が震えた
んだ。
無言のままスピードだけが
上がっていく車。
不安と恐怖でギュッとシート
ベルトを握りしめた。