約束 ~生きていく君へ 余命半年と告げられて
「真幸、一緒に住まないか?」
「えっ?」
「温人はもう戻ってこないよ。」
「何言ってるの?」
「温人は真幸を置いていったんだ。
真幸は捨てられたんだ。」
わたしの肩をおもいっきり
握りしめ揺らしながら、亮君は
真剣な目で訴える。
そんなことわかってるよ。
わたしは捨てられた。
でも、でも認めたくないの。
認めたくなかったのに。
どうしてあなたはそんなに
わたしを追いつめるの?
「なぁ。真幸。 俺がそば
にいるから。 俺が真幸を守るから。」
力強い亮君の言葉に、こころが揺れた。
15年前、泣いてるわたしを助けてくれた
あの男の子の姿に亮君を重ねて見ていた。
あの時もあなたはわたしを助けてくれた。
そして今も・・・。
わたしが壊れそうな時あなたはそばに
いてくれるんだね、
今も・・・。
そして昔も・・・。
何も変わらずわたしのそばに。
差し出された手は暖かくて、こんな
自分を許せないって思いながら
わたしは亮君の手を取ったんだ。