星に願いを~夜空の光~
8月
「奏、これから会いたい」
俺は、仕事が終わると、奏にこう言う。
「いいよ」
こうして、俺と奏は毎日のように会うようになった。
そんな中。奏は俺にいったんだ。
このとき、奏のかわいらしい笑顔の裏にある、折れた羽の存在を知った。
「奏、病気もってるの。精神科に通ってる。」
そして、詳しいことも話してくれた。
うつ病、パニック障害、境界性人格障害という病気を持っていること。
その病気になった原因。
腕に、たくさんの切り傷があること。
俺は、あまり驚かなかった。というのは嘘になるけど、顔にはださないようにしていた。
奏はきっととてつもない勇気を出して俺に話してくれたから。
「奏、腕見せて??」
奏の細い腕を眺めた。その細い腕にはたくさんの切り傷があった。
見ていて痛々しい。
切り傷というより、切り刻んだあとと言った方が正しいような跡があった。
「奏、傷薄くなるといいね。」
そう言った。
俺には、そう言うしかなかったんだ。
それから、奏の持っている病気について調べた。
奏の事を理解してあげたかったから。
俺は、よく集まる仲間の中の一人、「早苗」と本屋に出かけた。
早苗とは、女と男を超えた仲。