星に願いを~夜空の光~
そう、確かに言っていた。

奏は、家族ともめて、自分のせいだと思って、自殺をはかった。
近くのバス停で、薬を飲んだ。
意識がないまま、グリに支えられて、俺のうちにやってきた。

俺は、奏がいなくなるんじゃないかと思って、知り合いの看護師に慌てて電話をした。

「俺だけど、聞きたいことがあるんだ。」
そう言って、奏が薬を飲んだことを説明し、飲んだ薬と、状況を話した。

「その薬じゃ、死んだりしないから、とりあえず寝かしておきなさい」

彼女はそういった。

「ありがとう」
電話を切った。

奏を見ると、本当に意識がない。
死んでしまうんじゃないか・・・
その反面、ついにこの事態が起こった・・・そう思った。


奏の頬をなでながら、俺は何もできなかった・・・
何にも聞かされないでいたから、何があったか・・・そればかり考えていた。
そのまま、涼も眠りにつく。




朝、目覚めると、奏は変わりなく眠っている。
俺は、奏の実家に連れて行った。

そして、奏は、救急車で病院に運ばれた。


奏の入院先には毎日見舞いに行った。

そんなに長くはいれなかったけれど、奏が心配だった。
奏は、入院してから、合併症を起こしていて、高熱が続いていた。
毎晩、熱が上がって、苦しいと訴えていた。

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