星に願いを~夜空の光~
細い腕には、点滴の管が付けられていて、毎日体に栄養を流していた。
入院する前から、奏はあまり食べていなかったから、入院すると、余計に食べられなくなっていたんだと思う。

俺の仕事が終わって面会に行くのは大体、7時くらい。
奏は、毎日俺が面会に行くのを楽しみにしていた。
面会に行くころ、奏はいつも夜ご飯を食べている。

「奏!!!」
そう言って病室に入ると、奏はあまりご飯を食べていない。

「涼ちゃん!!今ご飯食べてたの。」
「あまり食べてないけど、具合悪いのか??」
「あんまり、食欲ないの・・・これ、涼ちゃん食べて」
そう笑いながら、あまり手をつけていないご飯を差し出す。

「だぁめ!!!」
俺は、そう言って奏にご飯を食べるように促す。

「だってさ・・・」
なんて言いながら、仕方なく食べる奏。

俺は、早く元気になってもらいたくてそう言ったんだよ。
入院している君を見ていたくないから。



奏は少しずつ元気になって、ご飯も食べれるようになってきた。
俺が行くと、

「涼ちゃん、今日こんなに食べたの!!!」
嬉しそうに言う。

「もうちょっと食べてみようか」

そうやって、小さな子供に食べる事を教えるように、俺は言う。

「わかった。」


少しずつ、元気になるように俺は、祈ってたんだ。

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