MusicClub

――ガラッ

｢｢こんにちあー！！｣｣


『こんにちあ。みんな、こんなに入部希望者がいるよ＊
　サキあいさつ。』



『起立。こんにちあ！』


｢｢こんにちあ！！｣｣




部室(音楽室)に入ると、一斉に部員が顧問の先生に挨拶をした。

顧問の先生もあいさつをし、部長なのか”サキ”と言う人に
私たちにあいさつをさせるように言った。



『前のオリエンテーションで内容は説明したから、今日は楽器体験をしましょう』



顧問の先生が先頭にいる私の顔を覗き込むかのように言ってきた。



その言葉と同時に部員の先輩たちが準備室からマッピなどを机に並べだした。




『先生、パーカスの基礎練台は持って来たらいいですか？』

『ええ。その方がやりやすいでしょ。すぐに用意して』



この前のオリンテーションでドラムをやっていた人だった。
部員の中でも、少し怖そうだった。




『じゃあ、この後はよろしくね。あたしは下で仕事してるから』


｢｢はい！！｣｣





顧問の先生が部室を出ると、先ほどまでビシッとしていた先輩達が
一気に緊張が解れたかのような顔になった。




『まじビックリしたわー！』


『だよね。いきなり入ってくるんだもん！』



先輩たちが一気に顧問の愚痴らしきことを口々に口ずさんだ。




『……あ！！ゴメンね。それじゃ、体験始めようか』


私たちに気付いたのか、愚痴をすぐにやめ
部員に”愚痴ヤメッ！”っと合図を出したのはチューバの先輩で
部員から”リン”と呼ばれている人だった。



リン先輩の一言で、みんな部長からの指示をもらい
各パートにわかれた。