大切
合格発表のあの日のことは今でも鮮明に覚えている。
ぎゅっとお守りを握りしめ、心の中ではずっと自分の番号を唱えていた。
(1134、1134……)
ドキドキ、ドキドキ…
一つ、また一つ、数字を追う。
自分の数字に近づくにつれ胸の鼓動が速くなるのを感じた。
(1134……っっ!)
「あ……あった!!」
思いっきり叫んでしまった。
びっくりして、涙が出てきた。
本当に合ってるかどうか、何度も確かめた。
…やっぱり、私の番号だ!
「夏美、よく頑張ったね」
「一生懸命頑張ってたものね!」
お母さんにそう言われ、泣き崩れながら、何度もうなずいた。