好きなのはキミ。
「ふぇ、ひっく…ひぃっく……」
涙が止まらない
視界は涙でぼやけているのに秋ちゃんの笑顔が見えるの
ねぇ、どうせなら嫌いになったって言ってほしかったよ
そしたら頑張って忘れられたかもしれないのに
「ふえぇんっん、」
「…なにしてんの?」
ウソ…
誰か来た
泣いてるのがバレちゃうよ
だんだん近づいてくる足跡
人の影があたしの目の前に見えて
少し顔をあげれば黒いローファーとチェックのズボンの裾
「泣いてんのか…?」
あたしの顔を確認しようとしゃがんだのは
学校で知らない人はいないほど有名な
「大野一成…くん」