好きなのはキミ。
「俺の事知ってんだ?」
そう言いながら一成くんは
あたしの目尻を長くて綺麗な指で拭った
「キミ、名前は?」
「…す、ずめ」
「スズメ?」
聞き返してくる一成くんを見てコクリとうなずくあたしは
相川鈴芽
高校1年生
…さっきデートしていた彼氏に振られたばっかり
「どーして泣いてんの?」
直球過ぎる
「ふぇ…」
「あー、泣くなよ。
目真っ赤だし…俺の家おいで」
「えっ?」
一成くんの家に?
どーして?
見ず知らずのあたしを?
「話聞いてやっから、一応ここ公園だしな」
一成くんはあたしの手をとって道を歩いて行った