恋心
「お母さん、いただきます。」


三人で仏壇の徹ちゃんのお母さんに手を合わせる。



お父さんと徹ちゃんは、ごはんにみそ汁の和食。


私は、徹ちゃん特製ホットケーキ三段がさね。


「ほら、恵理。」


徹ちゃんがメープルシロップをたっぷり、私が調度いい具合にかけてくれる。


「ありがとう徹ちゃん。」


「今日、徹は模試か。
がんばれよ。
恵理ちゃんはこれからどうする?」


「家帰ろうかな。
お母さん予定では、帰ってくるはずだから。」


「じゃ恵理、一緒にでるか?
送って行くから。」


「えっいいよ。
バスで10分だよ。
大丈夫だから。」


「だめだよ恵理ちゃん。
徹に送ってもらいなさい。」


真剣な目のお父さん。


髪は、真っ白、顔にきざまれた深いシワ。


本当の年よりかなり年上に見える。


「うん、そうだね。
徹ちゃん送って行ってね。」


「あたりまえだ。」


笑顔の徹ちゃん。



徹ちゃん、笑えるようになって良かった。


三人でごはん食べられてる今がうれしくてしかたがない。

お父さんと三人で朝ごはん食べるなんて。
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