恋心
バス停からすぐに、無駄にでかい白い壁の3階だてのわたしの家。


「ただいまー。」


「お帰りなさい。」


返事をして玄関で出迎えてくれたのは、家政婦の安部さん。


「こんにちは。」


「いらっしゃい、徹くん。
相変わらず仲良しね。」


玄関に入っても、まだ徹ちゃんは手を離してくれない。


「徹ちゃん手離して、靴脱げないから。」


「ああ、そうだな。」


やっと手を離してくれたと思ったら、私の足元に屈み込み、靴に手をかけて靴を脱がしてくれる。


それをほほえんで見る安部さん。



恥ずかしい。



恥ずかしすぎる。



まるで当然の事のように、私の靴を脱がせる徹ちゃん。


たしかにいつもの事だけど、恥ずかしすぎますから徹ちゃん。
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