一匹狼と無邪気なワンコ

 ――千佳がイケメンだと指差した奴は、紛れもなく狼だった。


 今登校したばかりなのだろう。


 学校指定のバッグを気だるそうに持ち、上履きに履き替えている。


「三人でいいでしょ?」


 俺の提案に、千佳は目を真ん丸くしている。


「えっ!? マジなの!? 恥ずかしいよ!!」


「大丈夫。お前の期待を裏切ってくれる奴だから」

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