一匹狼と無邪気なワンコ
あれから数分後、俺たちは一階のオープンスペースに仲良く――とは程遠いが腰掛けていた。
「えっと――大滝先輩って身長どれ位あるんですか?」
「想像に任せる」
「あぁ……ハイ……分かりました」
会話といえば、千佳が一生懸命話しかけてはいても狼がこんな調子。
最初俺に接していた時と全く変わらない。
いや、それよりも少し冷たいように感じるのは気のせいだろうか?
ともかくそんな二人のやり取りを俺は面白そうに聞き入っていた。