一匹狼と無邪気なワンコ
「アタシも昔の事よく覚えてないけど、とにかく今は安静にしてよね! 陸のお父さんに怒られちゃうもん」
「ハハッ。かもね~」
「とにかく小野寺君の事は担任の先生に伝えておくから、二人はもう戻りなさい。とっくにチャイム鳴ってるんだから」
俺……そんなに気を失ってたのか?
それにしてもチャイムが鳴っても戻らないなんて、あのマジメな狼でも珍しい事があるんだな。
「じゃあ先生お願いします」
「陸、また帰りに来るからね」