一匹狼と無邪気なワンコ

 ――言葉遣い悪いくせによく言うよな?


 って思ったけど絶対にそんな事言えない!!



 俺はグッとこらえ、また千佳の手を引いて歩き出す。


「ここら辺も変わっちゃったなー」


「あの裏道見て!! なんかいい感じだしあそこでいいじゃん」


 千佳が指を指した方向を見ると、夕焼けというのも手伝ってか、やけに薄暗い感じの場所だった。


「……襲われたいの?」


「はっ!? な、何言ってんの!!」



 まるでマンガみたいに顔を真っ赤に染めるコイツって本当からかい甲斐がある。

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