一匹狼と無邪気なワンコ

 クレープを頬張りながら千佳の手を離し、一人でそそくさと歩き出す。


 ギャーギャー文句を言いながら横に並んでくるが、今の俺にはBGMでしかない。


 
 ――正直、悔しいわけで。


 別に千佳が狼を褒めた事でも、比べられた事でもない。

 
 狼が俺よりはずっとずっと上にいたって事実が判明したのが悔しいんだ。


 まぁ、なんとなく想像はしていたけど……。

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