一匹狼と無邪気なワンコ

「なんだか満足そうね?」


「ん~、まぁね」


「小野寺君のその嬉しそうな顔、好きよ」


 バサッと備品リストの書かれた紙を机に置くと、彼女はごく自然にキスしてきた。


 ほのかに香る香水と、女ならではの厚化粧……NG。


「ほんっと、いつも反応薄いんだから」


「別に。そういう気分じゃないし~」


「……先生」


「――っ!?」

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