一匹狼と無邪気なワンコ


 ビックリして声のする方を見ると、そこには背の高い……いつもオーラを放っているアイツが居た。


 気まずそうに立っているその姿、いつから居たんだ?


「えっと……大滝君……今の、見てないよね?」


 いや、確実に見てたと思う。

 
 だけど彼は落ち着き払って、こう言ったんだ。


「見てない事にしときます」


「そう、ならいいの。えぇと――アレかな? いつもの?」

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