愛なんて無かった


「…帰るぞ」

ポツリと呟くその表情は嬉しそうにも楽しそうにも見えるのに、どこか辛そうにも悲しそうにも見えたから。


「…そうだね。帰ろう」


あたしもポツリと呟いた。


あたしの髪の毛も乾いたしもう冷たくて重いタオルは必要ない。


だから、此処に居る必要はもうない。



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