愛なんて無かった
「これからは夜外出禁止だから」
帰り道、手を繋いで歩きながらそうリクがあたしに言った言葉。
その表情は笑っているのに酷く冷たく見えたけど素直に頷いたのは繋いだ手が温かいから。
どうやら飼い猫には自由がないらしい。
でも、それが条件なら簡単だと思った。
「自由は欲しくないの?」
素直に頷いたあたしに、意外そうな顔でそう問いかけるリク。
「あたしが欲しいのはそんなんじゃない」
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