愛なんて無かった




汗ばんだ肌がピタリと張り付いてもう境目がわからないくらい密着する身体。


これで今夜も寂しくない。
きっと朝まで眠れる。


だから、耳元でやっぱり「ミホ」と囁いた声に聞こえないフリをした。

それと同時に少しだけモヤモヤとしたものを感じたからやっぱり相性が良くないんだって思った。


どれだけ静寂が続いたんだろう。

1時間…
2時間?

もしかしたら5分くらいかもしれない。

ウトウトと微睡んでいた意識が現実に戻ってきた。

「ねぇ…」

引き戻したのは『彼』の言葉。




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