先輩と俺の関係



彼は優しい。
すごく優しい。


まだ鳴り止まない菜美の声を、彼が聞こえないようにしてくれている。

「先輩…」


ギュッと抱きしめられ、目の前は彼の胸板。

目を瞑り、何も考えない。

音は、彼が塞いでくれてるから聞こえない。

彼の腕の中は、安心出来る。



「…もう、終わったよ」

そう言って彼は、塞いでいた手をどけ私の頬に添えてきた。


「俺と浮気しよーよ」

本日3回目


…でも、彼を頼ったら楽になれる?

………うん、何パーセントかの望みはある


「私……浮気する」





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