先輩と俺の関係



そう言えば鈴は頭を撫でて、愛しいものを見るような瞳で見つめてきた。

その手は頬へと移動した。


「…沙羅は……」

そこまで言うと鈴は、少し考え

「沙羅、沙羅は、兄貴のどこがいいの?」

突然のセリフ

「…え?」

「浮気されても好きって、よっぽどだろ?それなりに理由はあるじゃん」

蓮を好きな理由?

それは、それは……


……優しかった

付き合った当初、蓮は鈴と同じように優しかった。

それがいつしか冷たくなり……

浮気だって、勘づいてはいたが、見て見ないフリをしてた。

でも、やっぱりあの場面を見てしまったら誰だって泣くんじゃない…?

大好きな彼が友達と……

友達からの裏切り、彼氏からの裏切り。

「沙羅?」

黙っていた私を心配した鈴が顔を覗き込んできた。





< 16 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop