先輩と俺の関係
そう言えば鈴は頭を撫でて、愛しいものを見るような瞳で見つめてきた。
その手は頬へと移動した。
「…沙羅は……」
そこまで言うと鈴は、少し考え
「沙羅、沙羅は、兄貴のどこがいいの?」
突然のセリフ
「…え?」
「浮気されても好きって、よっぽどだろ?それなりに理由はあるじゃん」
蓮を好きな理由?
それは、それは……
……優しかった
付き合った当初、蓮は鈴と同じように優しかった。
それがいつしか冷たくなり……
浮気だって、勘づいてはいたが、見て見ないフリをしてた。
でも、やっぱりあの場面を見てしまったら誰だって泣くんじゃない…?
大好きな彼が友達と……
友達からの裏切り、彼氏からの裏切り。
「沙羅?」
黙っていた私を心配した鈴が顔を覗き込んできた。