先輩と俺の関係
「……何がいいんだろう」
「なぁーにがっ♪」
いつの間にか瞑っていた目を開けると、目の前にはドアップの鈴の顔。
「…別に。私もお風呂入ってくる」
鈴の顔をグイと押しのけベッドから降り、お風呂場へ向かう。
…という行動をしたかった。
なのに、私は鈴によりベッドに押さえつけられている。
「なんで話ししてくれないの?」
「…別に」
「やっと…」
ギュッと掴んでいる手に力を込め、
「やっと、俺のモノになったのに!浮気相手でも、沙羅と付き合える事がすごく嬉しかった!こうして、一緒に住む事もすごくすごく…っ」
……鈴。
私、鈴に関わった事ないのにそんなに好きでいたんだ。嬉しい、ありがとう。
けど………
「…ゴメンね」
「……嬉しかった」
「ゴメン、ごめんなさい」
謝った。
何度も何度も深く謝った。
鈴がどんなに私を好きでも、“今”の私の気持ちは蓮が好き。
でも、“今”だから、“明日”になったら鈴の事が好きかもしれない。