先輩と俺の関係




「……何がいいんだろう」

「なぁーにがっ♪」

いつの間にか瞑っていた目を開けると、目の前にはドアップの鈴の顔。


「…別に。私もお風呂入ってくる」

鈴の顔をグイと押しのけベッドから降り、お風呂場へ向かう。

…という行動をしたかった。


なのに、私は鈴によりベッドに押さえつけられている。


「なんで話ししてくれないの?」

「…別に」

「やっと…」


ギュッと掴んでいる手に力を込め、

「やっと、俺のモノになったのに!浮気相手でも、沙羅と付き合える事がすごく嬉しかった!こうして、一緒に住む事もすごくすごく…っ」

……鈴。
私、鈴に関わった事ないのにそんなに好きでいたんだ。嬉しい、ありがとう。

けど………

「…ゴメンね」

「……嬉しかった」

「ゴメン、ごめんなさい」


謝った。
何度も何度も深く謝った。

鈴がどんなに私を好きでも、“今”の私の気持ちは蓮が好き。
でも、“今”だから、“明日”になったら鈴の事が好きかもしれない。



< 21 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop