先輩と俺の関係
朝起きると、沙羅がいなかった。
急に不安になり、布団を勢いよく剥ぎ部屋のドアを開けた。
「…あ、おはよ。どうしたの?そんなに慌てて」
クスッと笑い一旦止めた手を動かした。
「え?あぁ、いや。なんか、寝ぼけた」
とりあえず笑ってごまかしてみた。
大丈夫、沙羅は俺の。兄貴に取られる事はない。
「兄貴の事……」
ピクリと動いていた体が止まった。
「兄貴の事、気にしてる?」
ゆっくりと俺の方を向いた。