先輩と俺の関係




「…付き、合って…るのか?」

戸惑いを隠せない兄貴は、沙羅を抱きしめる腕に力をより一層強くした。


「いたっ…」

すると、沙羅は小さな悲鳴をあげた。

「…沙羅は、渡さない」


それだけ言うと、兄貴は沙羅を放し学校へ向かった。


「俺達も行こ」

「…うん」

あれからは、着くまでずっと無言で、沙羅は俯いてクラスに入っていった。


「――鈴…」

沙羅を見送り、俺も教室に向かおうとしたら、後ろから声がした。





< 27 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop