先輩と俺の関係
「ちょっ、れ…小川くん、放して!」
いつの間にか沙羅の腕を掴み、強引に引っ張っていた俺。
「小川じゃない、蓮」
「とにかく放して!」
「蓮」
必死に腕を振りほどこうとする沙羅に俺は、蓮と呼べという。
だが、沙羅は呼ぼうとしない。本当に…本当に鈴が好きなのか?
「蓮…お願いだから、放して」
やっと口にした言葉で沙羅の腕を放した。
「好きだ、沙羅」
「…今更何言って…」
「沙羅がいないと俺、ムリ。もう、浮気なんかしない。頼むから、戻ってきて」
弱々しく言うと沙羅は、困った顔をした。苦しくなった
「お願い、沙羅…っ」
「ゴメンね、蓮。私達……」
――別れよう