先輩と俺の関係
「沙羅は渡さないよ。浮気者なんかに、ね」
嫌味ったらしく言った鈴に、一瞬顔をしかめた蓮
そして、いつもの顔に戻り、口を開いた。
「浮気者でもなんでも、俺は沙羅が好きだ。鈴、お前の言葉そっくりそのまま返す」
“浮気者でもなんでも”?なにそれ。私は浮気者なんか嫌いよ、お断り!
「鈴、戻っていいよ」
「はっ?何言ってー…」
「お願い」
鈴の瞳を見て、言うと眉を下げて困ったように私の頭を撫でた。
「わかった、じゃあ俺は戻るね」
鈴はチュッと私の頬にキスをして、戻っていった。
「――蓮」