ストライプ ブルー
『まゆどうすんの。ぼんやりしてたら、とられちゃうよ。
あ!唐沢君こっち来る。』
「うちら、そんなんじゃないし。」
『嘘つけ。』
美紀は意味深ににやっと笑った。
『ま~ゆっ。まゆたん。今日も可愛いねぇ。』
近づいて来た一也は上機嫌に私の頭をグシャグシャっと撫でる。
廊下からは後輩の女の子3人組がジッと私をにらんでるし。
なんだか嫌な予感するんですけど…。
ほおずえをついたまま一也を見上げた。
『またいつもの理由だから。よろしくね。』
頭に手を置いたまま、ニコッとのぞきこむ様にささやいてフラッとどこかへ歩いて行く。
いつもの理由……。
嫌な予感的中。
゛好きな子いるから゛
一也は沢山の告白をいつもその一言で断って
その好きな子は何故か私だと女の子達はみんな勘違いしてる。
そして女の子達は敵にまわって、面倒な事が増えて行く。
『相変わらず仲良しだねぇ。見てるこっちがドキドキするし。』
「だから違うんだって。多分。からかわれてるだけって言うか。
つりあわないし。
何だろ…友情って言うか。」
『ふ~ん。友情ねぇ。』
私達は不思議な距離だった。