hikari【短編集】
「そんなことない。」
奥さん失格だ?
そんなの……
絶対にあり得ない。
「でも……っ!!」
「バカだなぁ…俺の奥さんが務まるのは、世界でたった1人。希……お前だけだよ。」
今まで色々あったけど、それを全て乗り越えて、俺たちは今一緒にいるんだ。
希となら『永遠』なんて言葉も信じられる。
『希だけを愛してる』って、本気でそう思える。
だから……
失格なんて言うな。
「かーくん……許して、くれるの?」
「何言って…てか、それは俺のセリフ。希……こんな俺だけど、許してくれる?」
「…うん。ごめんね、かーくん………大好き、だよ。」
『嫌い』と言われた後だからか、希の言葉がいつもよりも嬉しく感じる。
よかった……
これで、元通りだ。
いや…違うかも。
今回のゴタゴタを通じて、俺にとって今までも大切だった希の存在が、それ以上に大切なものとなった。
もう傷付けない…
もう泣かせない…
そして──
何があっても、この手だけは、絶対に離さない。
−END−