hikari【短編集】
★先生 side nozomi
「まだ……かかるの?」
結愛が生まれてしばらく経った、ある日のこと。
子供たちが寝静まった後もパソコンに向かい、何かをしているかーくんに、私は声をかけた。
「…ん?まぁな……」
かーくんは、ここのところだいぶ忙しそうだ。
今の私には、かーくんがやってる先生の仕事がどれほど大変かがよくわかる。
毎日一緒にいて……
側で見てるから。
学生だった頃は、先生なんて案外楽なんじゃないの?とか思ったこともあったけど、全然そんなことはない。
先生だって、毎日勉強しなきゃいけない。
その他にも授業の準備をしたり、部活のことや生徒の生活面や進路のことを考えたりと、たくさんやることがあるんだ。
「かーくん、無理しないでよ……また倒れちゃったら、大変なんだから…」
私はそんなかーくんの隣に座り、パソコンの画面を見た。
あ……
学年末テスト、だって。
嫌だなぁ…
この『テスト』って響き。