hikari【短編集】
やっぱりテストって、いくつになっても嫌だよね…
私はもう受ける機会はないけど、ついつい顔を歪めてしまう。
「希……そんな嫌そうな顔するなよ。俺だって、正直テスト作りなんかしたくないんだから…」
そう、なの?
「疲れるんだよ…これ。しかもな、今回は2年の日本史と1年の現社、両方お前がやれって緑川【ミドリカワ】先生に押し付けられた……」
緑川先生とは、かーくんと同じ社会科担当の先生。
ちなみに男。
年はかーくんよりだいぶ上だって聞いたな……
前のテストの時は緑川先生が作ったから、今回はかーくんがやることになったみたいだけど……
実はかーくん、緑川先生のことはあまり好きではないみたい。
むしろ…苦手なのかな?
「大変だね……」
問題はまだ一問も出来てないのか、パソコンの画面は『学年末テスト』の文字以外真っ白だ。
「うん、大変。希……俺の代わりに問題考えて?」
また……
そんな不真面目なこと─
「ダーメ!!ちゃんと自分で考えて……杉田先生。」