hikari【短編集】
出ないと思ってたのに、電話は3コールほどで繋がった。
『ん?どうした…?』
自分でかけたのに…何を話していいかわからない。
『……希?』
「かー…くぅー…ん。」
電話の相手は、今仕事中のはずのかーくんだ。
『は?え?なんだよ…?希、もしかして……泣い、てる?』
電話の向こうで慌てるかーくん。
何やらバタバタと音がする。
『今職員室なんだ…ちょっと場所変えるな。』
「………っ、授業は?」
今更だけど、仕事中のかーくんの邪魔をしていないか不安になった。
『ん?あぁ…大丈夫。今空き時間だよ。……で、何があった?』