hikari【短編集】
「可愛い……」
思わず漏れた言葉。
今俺の腕の中にいる子供は、ついさっきまで希のお腹の中にいたんだ。
ずっと会いたかった…
俺たちの子供─
「希…本当にありがとう。よく、頑張ったな…」
「……うん。」
「お前も…頑張ったな。生まれてきてくれて…ありがとう。」
助産師さんが見てるのに、そんなことは気にも止めず、俺は嬉し涙を流した。
何回言っても言い足りない『ありがとう』を言いながら…