hikari【短編集】
『希から電話なんて、なんか変だなーって思ったんだよ。しかも、授業時間中だったし余計…な。』
うぅ……
全部バレてたんだ──
『普段通りのお前なら、何も考えずに俺に電話してくる訳ないだろ?だから、寂しいのかな?って…』
茉央と結愛がお母さんのところに行ってることは、かーくんも知っていた。
自動的に…
今日、私が家で1人になることも…
「かーくん………っ、か…ず、ま…さん……っ」
『…なに?』
突然泣き出し、名前を呼んだ私に、かーくんは笑ってるけど、少し困惑気味だ。
「ごめん…なさい。」
『なんで謝る?』
「私……っ、最近1人になってないから……いつも、一真さんや茉央や結愛が…側にいてくれるから……っ、今1人で……どうしたらいいか、わかんなくて……っ!」
『…うん。で?』
「急に寂しくなって……っ、声……聞きたくて、電話……しちゃっ…た。」
私は泣きながら、今の思い全てを吐き出した。