hikari【短編集】
『そっか。』
「こんな…ことで、電話なんかして…っ、ごめん…なさい。」
いくら空き時間とはいえ、別に暇な訳ではないはずだ。
他にも仕事…
あっただろうに。
私を心配して……話、聞いてくれたんだ─
『謝ることないよ。俺……今、すごい嬉しいから。』
「っ、え゛……?」
嬉しい…?
『希が…こうやって、隠さないで全部言ってくれたから……俺、嬉しいよ?』
一真、さん……
「……うん。」
『今日は早く帰るから。それまでお留守番…出来る?』
お留守番…っ!?
「私……っ、子供じゃないよぉ……」
『そうだっけ?寂しくて電話してきたくせに……ね、希ちゃん?』
ひどい…
子供扱いするぅ…!
『そんな心配しなくても……パパすぐ帰るよ?』
「だから…子供じゃなぁーい!!」
もう…!
でも…
おかげで元気出た。