hikari【短編集】
さすが…
私の素敵な旦那様。
電話を切った後、私は携帯を胸に当て、目を閉じた。
もう…
さっきの寂しい気持ちはなくなって、今はあったかい…ふわふわした気持ち。
降り続く雨も、何故か優しい感じに見えてきた。
これも全部…
一真さんのおかげだね。
「私……バカだな。」
携帯を置いて、そう呟いた私は、ふと自分の左手薬指にある指輪を外した。
私の大切な指輪…
一真さんとの誓いの証。
外したらわかるんだけど、指輪の内側には『KAZUMA』と文字が彫ってある。
ちなみに一真さんの方は『NOZOMI』って彫ってあるんだ。
「大好きだよ……一真さん。」
いつまでも…ずっと。