hikari【短編集】
「な、なんで……?嫌な訳……な、ない…だろ。」
そう…?
「なら…いい。」
「……っ!!///」
いつもと違う一真さんの様子に不安だった気持ちがなくなり、私はまた一真さんに抱きつく。
「ちょっ…おいっ、」
「ドキドキしてる…」
胸に耳を当てると、ドキドキと早い鼓動が聞こえる。
「…あっ、たり…まえ…だろっ!!!」
「……っ?!?!」
しばらくじっとその鼓動を聞いていると、いきなり一真さんが大声を出した。
そして、そのままギュッと力強く抱きしめられる。
「あぁ……もうっ!茉央たちもいないのに……そんな可愛く甘えるなよ…っ!」
「か、ずま…さん?」
私…甘えてる?
だよね…
なんか今、やっと頭が冷静になったけど…私、すごい大胆だった──
「しかも、名前呼びなんかして……それ弱いの、俺……」