hikari【短編集】
時は過ぎ、昼休み。
4限の授業を終え、途中で出会った陽翔と一緒に職員室へ帰り、自分の席につく。
「あー…腹減ったー…」
そう言ってる陽翔の机の側には紙袋が2つあり、中には恐らくチョコだろう…可愛らしい包みがいっぱい入っていた。
俺はそれを覗き込みながら呟く。
「彼女いるくせに罪な奴……」
「んぁ?あぁ…コレ?知らねーよ……生徒が勝手にくれるんだから。断るのも可哀想だし……」
佳純ちゃんはコレを見てどう思うんだろう…?
自分の彼氏がモテるのって……誇りなのか、辛いのか。
「…そう言う一真は?チョコ、貰ってないの?」
弁当を広げながら、陽翔は興味なさそうに尋ねる。
「俺?ないよ。」
結婚してるんだし、いろんなところで希や茉央たちの自慢話してるんだし、貰う訳がない。