hikari【短編集】



陽翔の質問に答えた後、俺も弁当を食おうとして希が渡してくれた弁当の入ったカバンを開けた。



「……ん?」



その瞬間、弁当の上に何かが乗っているのに気付いた。



手に取ってみると、それは可愛らしいラッピングがされた小さなものだった。



「あ……なんだよ、一真。やっぱり貰ってんじゃんかー!」



「違う、コレ……」



「え?あぁ…なるほどね。本命チョコか♪」



そう言った陽翔の手には、メモらしき紙があった。



「コレ、さっきお前がソレ持った時に落ちたよ。えーと、なになに……ハッピーバレンタイン  希……だって。」



「返せ!!」



俺は陽翔の手から紙を奪い、元あったカバンの中へ包みごと戻した。



「えー?見ないの?」



「…後で見る。」



幸い5限は空き時間だ。










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