hikari【短編集】
陽翔がいるところで見たら、からかわれるに違いない。
そう思った俺は、気になる気持ちを抑え、今は弁当を食べることにした。
5限の時間になり、意味ありげな目をした陽翔と別れ、俺は屋上に来ていた。
今は授業中だし、ここならまず誰も来ないだろう。
安心しきった俺は、フェンスに凭れかかりながら、さっきの包みと紙を取り出した。
「希……」
さっき陽翔が読んだ紙には、明らかに希の字が。
早速読んでみる。
【かーくんへ
今日はバレンタインだね。
今年は忘れたフリして後で驚かす作戦でした。
引っ掛かった?(^^)
かーくんの好みに合わせて、ちょっと苦めなチョコにしました。
もちろん手作りだから、味わって食べてよね?
感想は帰って来てから聞くから、仕事中に電話はダメだよ!
最後に…
ずっと愛してます
ハッピーバレンタイン
希より】