hikari【短編集】
その後僕は部屋を出て、パパのところに行った。
「…パパ。」
小さな声で呼ぶと、パパはゆっくり振り返った。
「茉央…どうした?」
ゆーちゃんを寝かし付けてたパパは、僕の前まで来てしっかり目を合わせた。
「パパ……さっきは、ごめんなさい……」
「…ん?」
パパは意味がわからないと言うような表情で僕を見ていた。
「僕……もっといいお兄ちゃんになるね?優しくって、強くって、カッコいいお兄ちゃん!!」
「茉央……なんだよ?お前いきなり……」
僕がそう言うと、パパは笑いながら僕の頭をグシャグシャと撫でた。
ママとは違う撫で方…
でも、こっちも好き。
「パパ、だーいすきっ!!」
「え…?うわ…っ、ちょっ…おい、茉央!?」
『お兄ちゃんなんだから』
そうじゃなくて…
こう言われるようになりたい。
『さすが、お兄ちゃんだな!』
―END―