hikari【短編集】
「…ま、座れよ。コーヒーでいいか?」
「あ……うん。」
家に上げてもらった俺は、杉田の何とも言えないもてなしを受けた。
「………っ、」
希がいれば、こんなぎこちない空気にはならないんだけどな─
希がいないなら、せめて茉央にこの場にいて欲しかったな…
「…中津。」
「ふぇっ!?!?」
早く希が帰って来ないかと願いながらコーヒーに口を付けた俺に、突然杉田が話しかけてきた。
びっくりして吹き出しそうになったが、何とか持ちこたえて杉田を見る。
「大学……どうだ?」
俺にそう尋ねる杉田は、久しぶりに見る『教師』の顔をしていた。
「あ…あぁ!勉強もサークルもそれなりに楽しいし、満喫してるよ。ま、俺ってやれば出来る人間だからさー……前期は成績『優』だって取れたんだせ!?」
「そうか。でもあんまり調子に乗り過ぎるなよ?お前は詰めが甘いからな。」
く……っ!