hikari【短編集】
☆愛、想い side nozomi
「相手は…誰なの?」
病院で検査を終え、家に帰って来た私は、お母さんにこう尋ねられた。
最近微熱と吐き気があって、生理も来てないし、まさか…と思って病院に行ったんだけど…
そのまさかだった。
私は…妊娠していた。
「希…答えなさい。」
「…彼氏、だよ。」
彼氏がいるということは、周りの人には話していた。
でもその彼氏がかーくんだとは、悠哉以外には誰にも話していない。
高校を卒業して、もう隠す必要はないのに、つい癖というか、話すタイミングを未だに掴めないままでいた。
「彼氏って…それはわかってるわ。お母さんは、その彼氏が誰なのかを聞いてるの。希…あなたは、誰だか言えない人と付き合ってるの?」
「そんなこと…ないよ!!」
「じゃあ言いなさい!」
………っ
「高校の……先生。」